大器晩成とヒトの寿命
2015年 08月 21日
気温は昨日よりはやや上がるそうだけれど、最高でも30℃はいかないそう。
一見過ごしやすそうだけれど、なんといっても湿度が高い。外は湿度80%を超えて不快指数が高い。
幸か不幸か?これといって変わったこともない日常で、話題にすることもないので、今読んでいる『脳はこんなに悩ましい』(池谷裕二&中村うさぎ)で紹介されている面白いデータをちらっとご紹介。
IQと大脳皮質の厚さは比例するのだそうです。
大脳皮質が厚ければ厚いほどIQも高い。
そこで、IQが高い人と普通の人が、成長過程でどういう経緯をたどってきたかが調べられました。
IQが120を超えるような人は、驚いたことに、幼い頃は、平均よりも大脳皮質が薄かったそうです。
10歳あたりを境に一気に逆転してゆくのだそうです。
逆に、幼いうちに厚かった人は、成長後のIQが低い。
結果、幼いうちに、人より早く成長しすぎることは弊害があるのかもしれないということが推測されます。
池谷氏は「『最近の若者は幼い』とバカにする人がいますが、幼いまま長期間すごすことは意外と重要かもしれない。」と言います。
「大器晩成」って脳科学的には真実なのですね。
そういえば、私は小学生になるまではIQが高く、親もかなり期待したそうな。
故に「ただの人」になってしまった、のかもしれません。
10歳未満のお子さんをお持ちで、「うちの子はアホだ」と嘆いてらっしゃる方がいらしたら、今嘆くのは時期尚早。そのお子さんは将来世界にはばたくすごい人物になっているかもしれません。
そういやうちの長男、小学校上がるまで全くひらがなが読めなかった。
小学生になるのだから、で親としては一所懸命「あいうえお」だけでも、と教えたのだけれど、覚えなかった。
今や一応大手一流企業の研究者開発者です。
もう一つデータを紹介します。
「人間の本当の寿命は41歳?」というもの。
どの哺乳類でも血圧はほぼ一定なのですが、心拍数は種によって大分違います。
人間の心拍数は1分間にだいたい60回。
象はもっとゆっくりで20回くらい。
マウスの心臓はなんと1分間に500回も打つそうです。
これって寿命に関係していて、どんな哺乳類でも、一生の心拍総数はほぼ一定で15億回くらいだそうです。
故に、マウスの寿命はとても短い。
象さんは70年かけてゆっくり打ち込む。
ヒトが15億回目を刻むのは、41歳。
今やほとんどの日本人はその倍生きちゃっています。
しかし、日本人の寿命が50歳を超えたのは戦後のことで、まだ歴史は浅い。
明治時代は40代前半でした。
確かに医学の進歩のおかげです。
こんなに医学が進歩していなければ多分私は40で死んでいただろうし、夫も50で亡くなっていたことでしょう。
いや、その前に、子どもの頃にインフルエンザに感染した時点で亡くなっている可能性は高い。
なんらかの持病をお持ちの方なら、自分が今生存しているのは「医学の進歩のおかげ」を痛感なさっていることでしょう。
どんどん寿命が延びることに対して社会の構造がついていけてないのは否めない。
定年退職の年齢も、年金取得の年齢も、認知症が急激に増加していて介護の問題が深刻化していることも。
うまくバランスをとりながら双方が変化していければいいのだけれど・・・なかなかのようです。
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