新しいパートナー

「もしも色々な事がうまくいきそうでしたら(サックスのレッスンを再開しましょう)」は、師が私がもう師からのレッスンは受けないとメールした後にくれたメールに書いてあったものである。

「色々な事がうまくいく」・・・振り返ってみて、もう長いこと、自然に物事がうまい方向に流れるという経験は記憶にない。

ほとんど力技でうまくいかせてきた。

力技といったって、政治家さんみたいに力で物事をねじ曲げるというのではなく、

自分の気持ちを強引にプラスに向け、そして家族全員をその方向へ引っ張っていく。

そこには随分と普段の読書量が貢献してくれる。

脳科学しかり、精神医学、心理学しかり、遺伝子学しかり。

まぁ正しくは、私は、理屈や理論でしか物事を実践できない人間であり、時にそれは長所になり、時にそれが短所にもなる。

それでも55歳、目の前に56歳がぶら下がっている私がなかなか新しい技を覚えるのは苦労で、

やっぱり使い慣れた技で、マイナスに向いている矢印を強引にプラスに向きを変え、

それに伴って他の物事もプラスに流れていくようにする・・・突貫工事で穴掘って、川の水の流れる方向を変えちゃうってとこだね。

根本的に抱えている問題は変わらずとも、それをみる見方、思考を変える。

思考の転換によって、明るい光が見えそうもない物事に非常口を見出す。

その方向が当たりかハズレかは運次第。

失敗したら、又やり直せばいい。


おとといの日曜日は、夫は会員権を持つゴルフ場での月例会にて1日留守で、まぁいつものこと。

午後から私はバスにのって繁華街へ一人繰り出した。

アパレル関係は夏物一掃大セール中。

そういうのにノルってことは私の場合普段はほとんど無い。

衝動買いはしないよう心がけている。

理由は、単純に我が家は収納が少なくて、すでにいっぱいだから。

雑然と物を下(床)に置く人っているけれど、私の場合それに足をひっかけて転倒し「首の骨を折る」という惨事につながりかねない確率が高いので、整理整頓にはついつい神経質になってしまう。

命がけなんだからしょうがない。


しかし、買い物はストレス解消になる。

特に「タイムセール」は大好きだ。

扱っているファッションが、ちょっと気に入った店があり、すでに全品50%オフのところ、タイムセールで「そこからまた20%オフのまとめ買いのチャンス」とおねえさんが店頭で声を張り上げ出した。

その声にひかれ4点購入。

自然派化粧品の店で、こんぶには「治す力がある」とのことで、シワやシミ、くすみに効果があるという何処ででも耳にする謳い文句にすっかりやられ、こんぶ美容液など3点購入。

女性が気分転換したい時の第一アイテム、美容室に行き、カットしてもらう。

そして、HUB(イングリッシュパブ)に入り、一人カクテルを飲みながら、隣に座る男女二人連れの会話を盗み聞きして楽しんだ。

この隣にすわる男女の人間観察が今回は当たり!で、実に面白かった・・・もちろん私は「スマホに夢中で聞こえていません」のふりをする。

いやいやもう、この二人はまだ付き合っているとかいう関係ではなく、女の子の方は中国人で、まだかたことの日本語・・・「〜あるよ」の世界。

中国人の知人は何人かいるけれど、皆普通に日本語をしゃべるので、映像のつくった世界のように「〜あるよ」という「これぞ中国人が日本語をしゃべったら」はリアルでは初耳だった。

男は頭髪が薄かったのでオヤジに見えるけど、その肌の感じから30台前半(うちの長男と同じくらいかな〜?)って感じ。

どうも中国から留学した彼女がバイトする会社の上司もしくは先輩といった関係らしく、

男はアドレナリンでっぱなしで、饒舌にナンパ中。

あまりに饒舌過ぎて、そんなに早口で日本語をしゃべっても、彼女の語学力では内容が理解できていないであろうことは、

誰が見ても、その彼女のリアクションの薄さでわかる。

しかし、男の方はかなり空気が読めないか、溢れ出すアドレナリンに支配されてか、空気が読めない。

獲物をゲットしようと必死である。

すぐ隣で繰り広げられるそのリアルな男女模様は、テレビのバラエティー以上に面白い・・・『月曜から夜ふかし』に匹敵する。

HUBなんて長居をするところではないので、その二人が去った後、間を空けて私も帰途についた。

気分的にはもっと街を徘徊して遊んでいたかったけれど、

一応安静の身だし、翌日に担当医の診察を控えていたので、良い子にして帰ったのだけれど、

良い子にしなかった点があり、帰宅後は腰から下がパンパンに腫れ上がり「痛い、痛い」と歩けない状態。

何をしたかって?

ついつい見栄を張って、途中から杖は短くしてバッグに収納し、杖無しで街を歩いたのだ。

リハビリが中止中で、まだそこまで進んでいない。

家の中では杖無しで動けるようにはなっているけれど、外となると歩く距離が比べものにならない。

転倒しないように、下腹に思いっきり力を入れ、

痺れた右脚を、過去の記憶でどう運べば「歩く」なのか考え考え一歩ずつ力を入れて踏み出す。

リハビリ歩きで、背筋は伸ばし、まっすぐ進行方向を見る。

ちょっとでも気が抜ければ、脚がガクンとなり危ないので、気を貼り続けねばならない。

リハビリとしてはすっごくいい!

しかし、手術痕が開いちゃって、そこから膿(うみ)が出て、抗生剤を飲み、毎日患部を消毒している我が身にはキツかったようだ。

帰宅するや否や、脚は破裂寸前の風船のようにパンパンに膨れ上がり、ジンジンと痛く、歩けない。

腰も麻痺してた。

直前にやはり帰宅していた夫から、「明日の診察までに治さないと、Kドクター(私の脊椎脊髄担当医)ががっかりするよ」と言われる。

そりゃ、自分が手術した患者の傷口が化膿しちゃった時点でバツが悪かろうに、

今度は歩けなくなって車椅子で登場したら、バツが悪いどころの話じゃなくなるだろう。

私としても「化膿が治るまで入院」となったら嫌だ・・・だったら大人しくしてろ!って話だが。

「なんでそんな無理したの?」と問われれば、

単純に「見栄を張りました」である。

人混みで賑わった街を歩く人たちが皆格好良く、綺麗に見えた。

そんな中で、杖をついて歩いていたのは私だけで、

自分がとてもみすぼらしく、惨めに思えてしまった。

別に歩行障害者を卑下している訳ではない。

私がみすぼらしく惨めだというだけの話だ。

そしてそれは杖だけが理由では本当はない。

何か一つでいい。一つだけでも自信となることがなければ立っていられない心境に陥った。

そして、せめて、颯爽と歩きたかった。

別に私みたいな婆さんが颯爽と歩いたところで、誰が見る訳でもない。

それはわかっているけれど、

私は私が颯爽と歩く姿を見たかった。

いっときだけ、昔の自分に戻りたかった。


幸い一晩寝たら、腰や脚の痛みは薄れ、担当医の診察ということで、夫の付き添いのもと車椅子にはならずに病院に行けた。

開いてしまった傷口からは血は滲むものの、膿(うみ)はようやくおさまったようで(絞り出され尽くしたようで)、

シャワーが解禁となった。

「入浴もいいけど、変なもの(ウミや血)が出て混じっているお湯に入るのは皆(家族)嫌だろうから、一番最後に入んなよ。」と担当医弁。

いやいや、「まだ開いている傷口から雑菌が入り、化膿が悪化したらいけないから、一番風呂に入れ」だろ。

自分の患者より、私の家族の「気持ち悪い」が優先かい?

わが脊椎脊髄担当医はこういった冗談を言う。

そこが私と相性が合っていた。

楽だった。

いずれ首の手術をすることになるならば、是非このドクターに切っていただきたい。

手の変形性関節症の手術(固定術)を受けることになれば、また担当医は変わるけれど、できれば人工関節担当医の方でお願いしたい。

このドクターは女性で、ふっくらと可愛い感じが私好み。


ちなみにこのF整形の外来リハビリ科では相性が合いそうなにいちゃんに当たったことがない。

スタッフが皆若いにいちゃんばかりなんだけど、若いにいちゃんって、テキパキ動けるのが「普通」だし、まだ人生経験が浅いから、

テキパキ動けない患者への応対が横柄だ。

入院患者専門リハビリステーション勤めのにいちゃん達は誰もが感じよかったのに、

外来の方はろくなのがいなくって、

やはり術後リハビリが終わったら「ここには来たくない!136.png」と思うばかり。

きっと彼らは若かりし頃の私なのだろう。

いい気になっていた過去の自分に今私は復讐されている、といったところだ。

そして彼らもいずれ復讐される日が来るだろう、確実に。

それに気づいた時、その後どう生きていくかの選択が「逝く前準備」だったりするのかもしれない。

「悔しい」を残さず準備をしたいものである。




愛してきたアルトサックス、ヤナギサワA-902と昨日の午後別れた。

まだ若いヤマハAS-62も一緒に手離した。

今日の可燃ゴミとリサイクルゴミの収集に合わせて、不必要となった譜面をくくった。

捨てたり、紐でくるったりしながら、そりゃこの5年間を想い、涙が出そうだった。

頑張った過去がそこにはあった。

鉛筆で書き込みやマーカーをひかれてボロボロになった譜面にお礼を言う。

君たちが私を支えてきてくれた。

ありがとう。

でも私、また違う地点から1からやり直すことにした。ごめんね。

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手元には新しいパートナーがいた。

ストレートソプラノサックス、TiaraS。

ごめんね。

今度は彼女と、頑張るんじゃなくて、人生楽しんでみる。





by sizhimi | 2017-07-04 06:13

頚椎後縦靱帯骨化症、腰椎4、5番は変性すべり症によりチタンボルトで固定手術済み、右脚人工股関節、腰椎椎間板ヘルニア手術済み、腰椎2、3番変性すべり症&両手親指付け根変形性関節症温存療法中とあまりの疾患の多さに自分でも忘れ、あきれている整形外科と縁が切れそうもない50代主婦の徒然日記。


by たまごふりかけS