もう一人の私

娘を高校に送り出し、「少し休もう」とこたつで横になった。

30分ほどうとうとした。

すごく不思議な夢をみた。

主人公は一人の容姿端麗な女性。

彼女はイベント関係の仕事をしていた。

明るく華やかなその仕事が気に入ってはいたが、

40歳も過ぎ、肌のつやも衰え、明らかに回りの女子社員とくらべ自分が見劣りすることを意識していた。

彼女は結婚したかった。

彼女は恋多き女性だったが、刺激のある世界を捨てられず、今まで独身だった。

ここ数年は、結婚に至ろうと頑張るのだが失恋ばかり。

休日出勤で、華やかなイベント会場でのリハーサル中、

交際していると思い込んでいた同じ職場の男性に、

それは彼女の思い込みで、彼は特別な感情を抱いていないことを告げられる。

興奮した彼女は「こんな仕事新入社員の女の子にやらせなさいよ」と、

止める仲間達を後にその場を去る。

帰り道、彼女はスリップのような薄着で、コートもなく、寒くてしょうがない。

で、途中のデパートでコートを購入しようと立ち寄るのだが、

周りの女の子達の若い美しさにひけをとられ

「どうせ私みたいなおばさん何着ても似合わないわよ。」と何も購入せず、

ただ泣きながら家路を急いだ。

途中、携帯から、以前に「好きだ」と言ってくれた男性に電話したけど、

またふられ、悲しくて、惨めで、ただ泣きながら歩いていた。

そんな彼女にバニーガールのような格好をした30歳代前半と思われる女性が声をかけた。

「何でも話しは聞いて上げる。」というその女性の言葉に彼女は惹かれ、

その女性がすすめる屋台の椅子に座った。

彼女の向かいにその女性は立ち、隣にマスターとおぼしき男性が座り、

「これは美味しいんだよ」と葉っぱの形をした餃子とコップに三分の一程の緑色のお酒をすすめた。

それらを口にしながら、彼女は自分のことを話した。

話しながら彼女は思い出した。

彼女は自分に夫と子供がいることを。

マスターは強く「帰れ」と彼女をおっぱらった。

その女性は「あなたならこの仕事できると思ったんだけど。」と残念そうに言った。

彼女は夫がいることは思い出したけれど、一体何処に帰ればよいのかわからず、

とうとう地面にふさぎ込んで泣いていた。

どれだけ泣いただろうか?

気がつくと夜が明けていた。

彼女は、一人の男性が自分の前に立って優しくのばす手に気がついた。

「一緒に帰ろう」

温かく優しい声。

それは彼女の夫だった。

彼女は思い出した。

家は思い出せなかったけれど、それは不安だったけれど、

夫と帰る場所が、自分がいるべき場所なのだと。


そこで目が覚めた。

そして携帯を見ると、入院中の夫からメールが着ていた。

「歯磨き用、うがい用のコップとゆるめのパンツを持って来て欲しい。」


さぁ、これを書き終えたら、急いで夫のもとへ行かなくちゃ。
by sizhimi | 2010-02-13 10:31 | Trackback

整形外科疾患多数。軟骨が何故か消える。無くなったり 、骨化したり(後縦靱帯骨化症)。手術歴15回。気分変調症(持続性抑うつ障害)を抱えてます。


by たまごふりかけ