嬉しい痛み
2010年 02月 18日
予定していた人工肛門にもならずに済んだ。
転移もなく、
もう安心だ。
今日午前中ICUから一般病棟に移された。
午前中はまだ麻酔が効いていて、
痛いながらも痛み止めがまだ効く状態だった。
午後から麻酔も切れ、
もともと痛みに弱い夫には堪え難いものらしく、
「痛い、痛い」の大騒ぎ。
私が手を握ってる間だけ、安心したようにうとうとする。
たまに、かすかな声で夫が「痛いよ」と言う。
私「痛いね。」
夫「痛い。」
私「痛いね。今が一番痛い時だよ。明日からは徐々に痛みはやわらぐよ。」
夫「腸が痛いよ。」
私「痛いね。よかったね、生きてる証拠だよ。」
夫「よかった。切ったとこが痛い。」
私「よかったね。でも切ったとこが痛いよね。」
昼、いったん私は自宅に戻った。
途中、実家の父へ送る携帯電話を購入。
私の名義で、私、夫の父に続き3台目だったので審査に思ったより時間がかかった。
今は、いわゆる『おれおれ詐欺』防止で3台以上の購入には審査がうるさいらしい。
夫の両親はまだ健在だが、義父が遠方の畑に行きなかなか連絡が取れない時、義母が心配するので連絡が取りやすいように、正月に携帯電話をプレゼントした。
とても喜んでくれたけれど、80近い夫の両親には、『簡単携帯』でもなかなか使いこなせない(⌒o⌒;A
実家の父は、母に先立たれてから、ずっとやもめの一人暮らしだ。
70もとうに過ぎ、
昨日電話した時に、老人性鬱で辛そうだった。
すぐには飛んで行けないので、
「いつでも電話してきなよね。」と、早速携帯電話を購入し、私と弟の連絡先を登録して送った。
犬のチャンプと、猫のしじみとあさりは、
帰って来ないお父さん、
不在がちなお母さん、
そんないつもと違う状況に不安気だ。
私に妙に甘える。
可哀想だから、疲れていても無視できない。
フェレットの茶々と末っ子の高校生の娘は相変わらず究極のマイペース(苦笑)
すでに家を出ている2人の息子達は、自立しようと自分の事で精一杯だ。
それも父への、息子としての愛だ。
致し方ない。
今こそ彼らは親を越えねば、と必死なのだ。
自分が生きて行く為に、
親に苦労をもうかけない為に、
命はそうやって受け継がれる。
私は、自分が、いつしか甘ったれてた事に気がついた。
目が覚めた。
とにかく食べて、
できるだけ寝て、
明日、明るい笑顔で、
夫が好きな私の笑顔で、
夫に会いに病院に行こう。
そして手を握ろう。
「大丈夫、私はそばにいるよ。」